現代の家庭生活では、スマートフォンケースやキッチン用具、PCのアクセサリー、電子機器のケーブルなど、様々なシリコン製品が広く使われています。これらのアイテムは日常的に使用することで徐々に劣化し、べたつきやすい汚れが付着することがあります。これらの汚れは通常の掃除方法ではなかなか落とすことができません。
そこで今回は、頑固なシリコンのべたつきを効果的に除去するための3つの方法をご紹介します。
なぜシリコン製品はべたつくのか？
シリコン製品が使用を重ねるごとにべたつきを帯びる理由には、特定の化学反応が関係しています。シリコンは時間の経過とともに自然と水和反応を起こすことがあります。これは、水分の影響で化合物が分解するという化学的な現象です。特に日本のような湿度が高い環境では、この反応を完全に阻止することは難しいです。
さらに、シリコン製品にはその柔軟性を保つために化学薬品（可塑剤）が加えられていることが多く、これらの化学物質が水和反応により表面に漏れ出し、べたつきの原因となることがあります。
シリコンのべたつきを除去する3つの効果的な方法
市販の洗剤や石鹸では落ちにくいシリコンのべたつき汚れを除去するために、特定の手法が効果的です。使用する前には、目立たない部分で試してみて、シリコン製品を傷めないように注意しましょう。
無水アルコールを使用する
シリコンのべたつきを取り除くための最も効果的な方法の一つが、無水アルコールの使用です。無水アルコールは、水分をほとんど含まないため、シリコンの水和反応を引き起こさずにべたつきを落とすことができます。
このアルコールは、ドラッグストアやホームセンターで購入することができ、価格は約1,000円程度です。オンラインショップを利用するとさらにコストを抑えることが可能です。
無水アルコールは揮発性が高いため、水に敏感な電子機器などの清掃にも適しています。使用する際は、アルコールを浸した雑巾でシリコン製品のべたつく部分を軽く拭き取るだけです。使用後の雑巾は再利用せずに廃棄することが推奨されます。また、無水アルコールは非常に引火しやすいため、火気の近くでの使用は避けてください。
この方法は少し投資が必要ですが、その価値はあります。無水アルコールは多くの清掃場面で大変役立つため、一家に一本は常備しておくと便利です。
重曹を使ったクリーニング
日々の掃除や料理で大活躍の重曹は、シリコン製品に付着した厄介なベタベタ汚れを除去するのにも非常に有効です。もしも家に重曹がない場合でも、最寄りのスーパーマーケットやドラッグストアで簡単に手に入れることができます。
シリコン製品の少しのべたつきを除去したい時には、少量の水に重曹を混ぜてペーストを作り、使い古しの歯ブラシを使用して優しく磨くと良いでしょう。さらに、水に濡れても大丈夫なアイテムであれば、適量の重曹を溶かしたお湯にそのアイテムを浸しておくと、6～12時間後には汚れが簡単に取れています。
重曹を使うことでシリコンの水和反応を促進し、化学的に変化させることができるため、長期的に見てもシリコン製品から溶け出してくる可塑剤も除去することが可能です。これにより、シリコン製品の経年によるベタベタ感を予防する効果も期待できますが、完全には防げません。
消しゴムでのお手入れ方法
また、家庭に常備されていることが多い消しゴムを使用して、シリコン製品のべたつきを除去する方法もあります。消しゴムで擦ることによって、べたつきが消しカスとともに取れていくのです。
この方法の良い点は、ほとんどの家庭に消しゴムがあるため、特別な材料を用意する必要がなく、すぐに試すことができることです。ただし、この方法はあまりにも頑固な汚れや複雑な形状をしたアイテムには向いていません。
シリコン製品のべたつきを防ぐ方法はあるのか？
結局のところ、シリコン製品を完全にベタベタしない状態に保つことは可能なのでしょうか？前述の通り、シリコン製品のベタベタは主に経年劣化と水和反応によるものです。湿度が高い日本の気候では、シリコン製品の水和反応を完全に防ぐことは難しいですが、約3～5年で劣化が進むシリコン製品の寿命を少しでも延ばすことはできます。
そのためには、シリコン製品を湿気が少なく、風通しの良い場所に保管することが肝心です。ジメジメした場所に置いてしまうと、水和反応が促進されてしまい、シリコン製品の劣化が早まるためです。
まとめ
今回ご紹介したシリコン製品のべたつきを効果的に取り除く方法は、日常生活で容易に試すことができるものばかりです。重曹や消しゴムを使った方法は、特に手軽で効果的なので、シリコン製品のお手入れにぜひお試しください。
