筆記用具とインク別!服の染み抜きテクニックとクリーニングのヒント

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家庭や学校、オフィスでは頻繁にボールペンやマーカーを使用します。また、コンビニのコピー機や家庭用プリンターで使われるトナーやインクジェットインクも日常的に使われています。

これらの筆記具やプリンターインクは使用中に服や他の表面に汚れを付けることがあります。こうしたインク汚れを効果的に取り除く方法を知っておくと役立ちます。

ペンやマーカー、プリンターインクには次のような種類があります:

マーカー(油性・水性)
ボールペン(油性・水性)
ホワイトボードマーカー

インクジェットインクには「染料ベース」と「顔料ベース」があり、染み抜きの方法が異なります。

家庭用プリンターで使われるインクは通常染料ベースですが、黒インクの中には顔料ベースのものもあります。オフィスやコンビニで使用されるコピー機のトナーは顔料ベースです。

ペンやマーカー、インクの成分によって、染み抜きの方法も異なります。

◎水溶性のインク

水性マーカー
水性ボールペン
家庭用インクジェットインク(水性)

◎油溶性のインク

油性マーカー
油性ボールペン・ゲルインクボールペン
ホワイトボードマーカー
コピー機用トナー

水溶性のインクは水で処理が可能ですが、油溶性のインクは油性の溶剤を使って染み抜きする必要があります。

どちらのタイプのインクでも、汚れが付いた直後に迅速に対処することが重要です。

汚れ除去の準備

まず、素材が手洗い可能かドライクリーニング専用かを洗濯表示で確認します。水洗いが可能な場合は、目立たない部分で色落ちがないかを確認します。素材と色落ちを確認した後、染み抜きを行います。

水溶性インクの染み抜き方法

  • 水性マーカー
  • 水性ボールペン
  • 家庭用インクジェットインク(水性)

水溶性のインクは水で処理できることがありますが、通常は中性洗剤を使用します。中性洗剤で取れない場合は酸素系漂白剤を使用します。特に黒色のインクジェットインクはトナーと同じ成分の場合があり、その際はアルカリ性洗剤を使用すると効果的です。

染み抜き手順

① 染みのある部分をタオルの上に置きます。これは染みをタオルに移し、色移りを防ぐためです。

② 染みの部分に中性洗剤を塗り、裏からタオルを使って叩いて染みを抜きます。デリケートな素材の場合は、直接洗剤を塗るのではなく、綿棒やブラシを使い染みを叩きます。

③ 染みが移らなくなったら、揉み洗いをしながら水で洗剤を洗い流します。その後、通常の洗濯を行います。染みが残っている場合は酸素系漂白剤を使用します。

④ 酸素系漂白剤に5~10分間浸し、その後通常の洗濯で綺麗にします。

油性インク汚れの除去方法

  • ボールペン
  • 油性マーカー
  • ホワイトボード用マーカー
  • コピー機のトナー

ボールペンの染み抜き

ボールペンは油性、水性、ゲルインクという種類があります。

油性 = 油溶性
水性 = 水溶性
ゲルインク = 水溶性

油性インクは油に溶け、水性インクは水に溶けるため、染み抜きの方法はインクの種類によって異なります。油性インクはエタノール、水性インクは中性洗剤(例:台所用洗剤)で対応します。

染み抜きの手順

① 染みがついた部分の裏側にタオルを敷きます。これは、染みをタオルに移し、他の部分への広がりを防ぐためです。

② エタノールと中性洗剤を等量混ぜ合わせ、その混合液を染みに塗り、綿棒や歯ブラシでたたいてタオルにインクを移します。

③ 染みがタオルに移らなくなったら、水で洗い流し、通常の洗濯を行います。

ゲルインクボールペンの対処法

ゲルインクは繊維に深く入り込むため、家庭での除去は難しいとされています。しかし、新鮮な染みには、歯磨き粉を使うことで除去できることがあります。歯磨き粉の微粒子がインクを繊維から浮かせるのに役立ちます。

ゲルインクの染み抜き手順

① ゲルインクが付いた箇所の裏側にタオルを敷きます。

② 歯磨き粉を塗り、キッチンペーパーを上に置いて、歯ブラシで叩くか揉んでインクを移します。

③ ゲルインクが移らなくなったら、中性洗剤を使用し、綿棒で染みに塗りつけ、繰り返し処理します。

④ 染みが取れたら、水でしっかりと洗い流します。

油性マーカーの染み抜き

油性マーカーはその油溶性の特性を利用して、クレンジング製品で除去します。オイルクレンジングが最も効果的ですが、クリームや乳液、ローションタイプのクレンジングも使用できます。

油性マーカーの染み抜き手順

① 染みの裏側にタオルを敷きます。

② タオルを敷いた上からクレンジングオイルを直接染みに塗り、なじませます。タオルで叩いたり揉んだりして、染みを移します。

③ 染みがタオルに移らなくなったら、水でクレンジングオイルを洗い流し、通常通り洗濯を行います。

ホワイトボードマーカーによる汚れ

ホワイトボードは職場や個人使用でよく使われるため、気がついたら服にマーカーの跡がついていることがあります。これらのマーカーは大抵「顔料」ベースで、油性の特性を持っています。そのため、油を溶解する効果のあるエタノールが有効です。「無水エタノール」は解決力が高いため特に推奨されます。

マーカーの染み抜き手順

① 染みがついた服の裏側にタオルを敷きます。これは、マーカーが他の場所に広がるのを防ぐためです。

② 染みに直接エタノールを塗り、タオルへとマーカーを移すように揉んだり、叩いたりします。

③ 染みがタオルに移ったら、洗剤で揉み洗いをし、水ですすぎます。その後、通常通り洗濯を行います。アルカリ性洗剤が特に有効ですが、ほとんどのマーカーが取れている場合は中性洗剤でも構いません。

コピー機のトナー汚れ

トナーを交換する際には服にトナーがつくことが多く、思わず擦ってしまいがちですが、実は擦ることは避けるべきです。トナーは粉末状であるため、服についたトナーはまず払い落とすことから始めます。可能ならば掃除機で吸い取るのがベストです。

トナー染み抜き手順

トナーは顔料ベースで、布地に浸透するよりは表面に付着します。そのため、油性汚れに強いアルカリ性洗剤が効果的です。

① トナーがついた部分の裏にタオルを敷きます。

② その上からアルカリ性洗剤をトナーがついた部分に直接塗り、タオルを使ってトナーを移すように叩きます。

③ トナーがタオルに移らなくなったら、水で洗剤を洗い流し、通常の洗濯をします。トナーが残っている場合は塩素系漂白剤を使用しますが、これは綿、麻、ポリエステル、アクリルのような特定の素材に限られます。塩素系漂白剤を使用する際は、5~10分待ってから通常洗濯を行います。

これで、トナーの汚れは効果的に取り除くことができるでしょう。

染み抜きの方法のまとめ

さまざまな筆記用具やインクの種類によって最適な染み抜き方法は異なります。以下に一般的なものをまとめます。

  • 水性マジック、水性ボールペン、家庭用インクジェットインク:中性洗剤や酸素系漂白剤が有効です。
  • ボールペン(油性・水性)、ゲルインクボールペン:エタノールや中性洗剤を使用し、固形なら歯磨き粉も役立ちます。
  • 油性マジック:クレンジングオイルやクレンジングローションを使用します。
  • ホワイトボード用マーカー:エタノールで処理した後、アルカリ性洗剤で洗うと良いでしょう。
  • コピー機用トナー:アルカリ性洗剤を使用し、必要に応じて塩素系または酸素系の漂白剤で処理します。

中性洗剤には一般的な台所用洗剤が、アルカリ性洗剤には固形石鹸や住宅用洗剤(マジックリン、マイペットなど)が含まれます。エタノールは無水エタノールや消毒用エタノールを用いることができます。

家庭用インクジェットインクの中には、アルカリ性洗剤の方が染み抜きしやすいものもあります。また、水性ボールペンの中には、油性のものと同じようにアルカリ性洗剤で染み抜きしやすいものもあります。

急いでいるときや何度も着用した衣服の場合、クリーニングに出すコストや手間を考えると自分で染み抜きを試みたくなるものです。しかし、以下のような場合はプロのクリーニングを利用する方が確実です。

大きな染みがついた場合
素材が綿・麻・ポリエステル以外の場合
繊細な素材や高価な衣服の場合

プロのクリーニングでは、一般に入手しづらい洗剤や特殊な染み抜き溶剤が揃っているため、新しくついた染みでも確実に取り除くことが可能です。

染料と顔料の違い

水性マジックや油性マジックの場合、それぞれ「水に溶ける性質」や「油となじむ性質」を持っています。これらの特性によって染み抜きの方法が異なります。蛍光マーカーやサインペン、布用マーカー、筆ペンなどはほとんどが水性ですが、色によって水性染料か水性顔料かが異なり、それぞれに適した染み抜き方法が必要です。染料は水に溶けやすいですが、顔料は基本的に水では溶けにくい性質を持っています。そのため、油となじむ性質の溶剤の方が染み抜きしやすいことがあります。

油となじむ性質がある物

油となじむ性質の染みには、アルカリ洗剤(固形のアルカリ石鹸やマジックリン、マイペットなど)、クレンジングオイル、クレンジングローション、エタノール(無水エタノール・消毒用エタノール)が有効です。水性か油性かがわからない場合は、染みの部分に少量の水を垂らして確認すると良いでしょう。これにより、どの洗剤を使用すべきかの判断が容易になります。

日常的にサインペンやボールペンを使用する職場では、急な動作でインクが衣服につくことがあります。一般的には水や台所用洗剤、住宅用洗剤、洗濯用洗剤、固形石鹸などが手元にありますが、実際には水から始めても染みが完全には取れないことが多いです。そのため、染みが新鮮なうちにすぐに洗剤を使用し、効果的に染み抜きを行うことが大切です。

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